第二回 笑食会

昨年3月11日に起きた「東日本大震災」

その翌月、「飲食業だからこそできるチャリティー活動」という事で、有志の飲食業の仲間たちを中心に開催した「笑食会」(えみしょくかい)

大盛況に幕を閉じ、強く思った「継続してゆきたい」と言う気持ち。

あれから約一年。

2012年

3月11日が日曜日であったこともあり、この日に、再び有志を募り「第二回 笑食会」を開催いたしました。簡単に言えば、この日の為に作り上げたウルトラスペシャルメニューをゲストに楽しんでいただき、収益を寄付させていただこうと言うシンプルな内容なのです。

念入りに打ち合わせをし、試食をし、いよいよ会当日。

福島出身である、Lionの須田氏に乾杯と挨拶をしてもらい、会がスタートします。手に持った物は、無理やり私がネタで渡したものですので、お気になさらず。

ワインの提供は 「フランスワイン専門店ラ・ヴィネ」

豊富なストックから料理に合わせたワインをチョイスしてもらいます。

阿保氏を中心にLion須田氏やt.r小熊マダムと練ってもらいました。ワインの説明や料理とのマリアージュはお手の物の阿保氏。私もソムリエ資格は持っておりますが、やはり場数が違います。

皆が吸い込まれるように耳を傾けます。

今回の料理MENUはこのお二方に作っていただいました。

西麻布「Comptoir Missago」の土切シェフ、恵比寿「和の食 いがらし」の五十嵐さん

ベースはフレンチのコースでしたが、被災地である宮城から日本酒「浦霞」を作る ㈱佐浦様よりご提供いただいた為、「浦霞 禅」に合わせた料理を組み込みたいという事で考案したMENUとなりました。

五十嵐さん大活躍お疲れ様でした。


フランス料理店「t.r」の小熊シェフがお寿司を盛る。こんな不思議な光景も、この会ならでは。

めったに着ることのないコックコートで参加していただいた「le Lion」の大杉シェフ、なんか嬉しいですね。

そしてこの日のMENU
-アミューズ-
スペイン産生ハム゙パレタセラーナ″

参加者からの友情提供をいただいた生ハムをアミューズに食事が開始されます。

-冷前菜 三種-

を合わせて。

「天然平目」に「塩水雲丹」「本タラバガニ」を贅沢な盛り合わせ。季節感と爽やかさをふんだんに感じられる前菜でした。

-春菜寿司-
春野菜(タラの芽)と車エビ、蒸し鮑等をあしらった見た目にも美しいお寿司

この季節感、日本に生まれて良かったです。

-温前菜-
玄海灘で獲れたクエと三陸の牡蠣 ムール貝の潮汁仕立て


Sake: Uragazumi “ZEN” Saura Co., Ltd

五十嵐さんに高級魚クエのアラから出汁を取ってもらい日本酒で蒸煮にします。三陸の牡蠣が手に入ったことも会としては嬉しいことでした。

そしてこの日一番人気だったのがこの一皿

-魚料理-
駿河湾で獲れた天然赤座海老のカダイフ包みその殻で作ったアメリケーヌソースベビーリーフのサラダ添え

Wine: Vire Clesse “Vieilles Vignes” 2007 Domaine Michel

何と言ってもこの赤座海老、最高品質のこれは・・・・・私も一緒に食べたかった・・・・。

そうこうしている間にメインの肉が焼きあがります。メインは二種類がランダムに供されます。

一皿はあのバスク豚の最高峰

ピエールオテイザ氏の育てた純血バスク豚゙キントア″豚のロースト

Wine: Cahors “Prince Probus” 2000 Clos Triguedina

とろける脂の旨味。悶絶です。

そしてもう一種は

-肉料理-
宮城産黒毛和牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ ペリゴール産黒トリュフ


言わずと知れた、フランス料理のもっとも贅沢なメインの一つと言えるでしょうね。

カットしたフォアグラはかなりの大きさですが、

その下の肉の大きさのあまり、それが小さく見えます。

宮城の黒毛和牛で。

-デザート-
奥出雲薔薇園の生食バラと苺のパルフェ そのバラのアイスクリームと共に

Wine: Ratafia S.A. Tarlant


これを食べたあたりでこの時間にさしかかります。

14時46分

皆、さまざまな思いを胸に、黙祷しました。本当に激動の一年でした。

さてここでスタッフにも内緒にしていたサプライズ


翌日がお誕生日だったLionの須田さんへ御誕生日プレート

会の趣旨的に本人も嫌がりそうだったので、こっそりと企画。仲間を祝いたい気持ちは何をおいてもやりたかった一つです。


若いスタッフも一生懸命。本当にありがとう。

会を楽しむ面々

その笑顔に、スタッフ一同嬉しさでいっぱいでした。

皆が一つになった素晴らしい会でした。

最後に参加最年長である「t.r」の小熊シェフに会を〆ていただきました。お疲れ様でした。

ここで使われている写真は、撮影を担当いただいた三和さんと、私が取ったものも少々ありますが、まだまだたくさんあります。


それを再び見るだけで、思いだし、また涙が出そうになります。
(右から二番目は恵比寿の高田純次こと「BambooGrassy」の長沼さんです)

正直、風化させない?とかは良くわからないんです。でも仲間たちと、一生懸命何かをやった結果が「世の為になる」のならば年に一度くらいなんかやろうよ!それだけなんです。


そんな私の適当な提案に、嫌な顔せず一緒にやってくれた仲間たちに感謝。そして誇りに思います。

参加いただいたゲストの皆様、なにしろ最高の会だったでしょ?我々にだからできる「我々スタイル」の活動 。そしてそこで生まれる笑顔がチャリティーにつながったらと思います。

心ある仲間たちと、これからも毎年続けてまいります。

来年も。

一度来た方はこの素晴らしさに、きっとまた来たくなるでしょう。

なにせ、我々プロフェッショナルが利益を追求せず、一致団結してまっすぐ一つの事を成し遂げるのですから。

「無理なく」「楽しく」出来る事を「少しずつ」


■ 参加者 協力店 協賛


その後の一服の美味しかったこと。

[×]ウィンドウを閉じる